古くから行われる高野山での行事

山王院夏季祈り

1年に一度、南院(なんいん)に御安置されております「浪切不動(なみきりふどう)」さまを山王院におまつりし、招福除災をお祈りする法会です。

本来は「四季祈り」として行われておりましたが、現在は「夏季」にお祈りするのみとなりました。この法会には高野山でも有名な仏様であります「浪切不動明王」様をお迎えし、山王院にて御法楽を捧げ天下泰平・五穀豊穣を祈ります。

浪切不動様は、お大師さまが船で唐から日本に帰朝された際に嵐に遭われ、一心にご祈祷されたところこのお不動様がお現れになりました。お不動様は手にお持ちになっていらっしゃる剣にて、荒海へばっさり振り落としたところ、不思議とその部分だけ波が静まり、無事に航海することができたそうです。

現在でも秘仏とされていますが、この二日間だけお姿を拝することができます。山王院へは「唐櫃」が用いられ、波切不動様のご信者様の手によって往復されます。なお、この行事は旧暦にて執行されます。執行日は旧暦5月1日、2日です。