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阿字観(あじかん

阿字観とは真言密教の経典である大日経に基づく瞑想法で、その名の通り『阿』の『字』を『観』ながら瞑想します。
この阿とは大日如来を表す梵字であり、すべての宇宙は阿字に集約されているとされています。瞑想法といえば座禅を思い浮かべる人も多いですが、阿字観と座禅では方向性による違いがあります。座禅は煩悩を消し去って無我を体得するに至る事を目的としていますが、阿字観は無我を体得したのちに阿字の仏様の心を感じ取る事を目的としています。

その他では座禅は無我に至るため周囲に何も配置しませんが、阿字観は仏様と一体になるために阿の字と月が描かれた絵を本尊として軸装するという違いもありますね。一言でまとめると、座禅は『すべてを否定して空っぽになる』のに対して、阿字観は『すべてを肯定して受け入れる』という方向性を持っているのです。

また、現代の日本ではあまり認知されていませんが、阿字観と古代インド発祥のヨーガとは密接な関係があり、日本のヨーガは空海が瑜伽(ゆが)として広めた事がキッカケだとされています。それゆえ呼吸を重要視しており、本来は『数息観』『阿息観』『月輪観』という3段階の瞑想法を経て、ようやく『阿字観』へと至る事ができます