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授戒(じゅかい

授戒とは文字通り戒め(戒律)を授けるという意味で、仏門に入る際に護るべき規律のことです。『授かる』ではなく『授ける』であるため、戒を与える側の人が用いる言葉であり、逆に授かる側の場合は受戒と呼びます。

高野山では、実際に阿闍梨さまより菩薩十善戒という戒律を授かる事ができます。菩薩十善戒は、人が人として正しく生きるための『殺さない』『盗まない』『嘘をつかない』などの基本的なものが多いです。

実は本来の『戒』は、いわゆるルールというよりもマナーに近く、自発的に護るものだとされています。そのため戒を破っても明確な罰はなく、ただ単純に悟りの道から遠ざかるだけ。

戒を護るにあたって必要なのは、ルールだから護るという強制力ではなく、自分の心と向き合うための意志です。例えば先述した『殺さない』は、戒の中では不殺生戒に当たりますが、実際には食事している時点で何かの命を頂いていますよね。だからこそ、自分は命を頂いて命を保つに値するかどうかを常に考えながら食事する事が大切です。

授戒とはそんな当たり前にあるものについてしっかり考え、その中で精進していくための儀式であると言えます。