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金剛峯寺 霊宝館

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三鈷杵(さんこしょ

三鈷杵とは、密教の修法の際に用いられる仏具の一つである金剛杵の中でも、両端の刃が3つに分かれている物の事を指します。

実は三鈷杵は空海の物語を語る上でなくてはならない仏具でもあります。

空海は唐から日本に帰る際、この三鈷杵に「密教を広げるのに相応しい地を示したまえ」と願いを込めて東の海へと放り投げました。その三鈷杵が落ちた場所こそが、高野山にある『三鈷の松』の枝だったのです。

この3つの刃は、行者の『身』『口』『意』からなる3業と、大日如来の『身』『口』『意』からなる3密が繋がる事を表しています。3業は人の行いの事を指し、身は身体的な活動を、口は言語的な活動を、意は心からくる精神的な活動のことで、 どんな行為も必ずこの3業が関わっており、善悪や行為の結果をもたらし、また業がある限り輪廻は続くとされています。

3密は3業の仏版のようなもので、仏様の身体、口、心によって行われる行動のことです。真言宗では、瞑想によって人の3業と大日如来の3密が互いに感応し、その境界を無くすことで自身と仏様が一体になる事を最終目標としており、 空海はこのことを仏が我に入り、我が仏に入る……すなわち、『入我我入』と呼びました。