古くから行われる高野山での行事

内談議(うちだんぎ)

高野山に伝わる問答の一つで、昔は10日間行われました。

元は「練学会」と称し、お坊さん達はこの論議に出仕し、自己を磨き、一生懸命に勉強して高野山での僧位を築きました。独特の節回しがあり様々な、問答を繰り広げます。声明(しょうみょう)などに興味がございます方には、非常に面白いと思います。

高野山のお坊さんの位に「上綱(じょうご)」というものがあります。高野山の「学道(経典や論疏の勉学)」を修めなければこの階位に登ることができません。その上綱となる区切りの法会が次の「御最勝講」ですが、それに先だって問答を戦わせるのがこの「内談議」です。

この法会には高野山の勉学機関である「勧学会」の新衆(つまりは一年生)が初めておおやけの論席に出仕するもので、配役されたそれぞれの人たちは、この日までに一生懸命練習を重ねてきます。元は「歌論議」といわれたように独特の節回しを付けて問答を致します。また、言葉使いも古風で、「○○に候」といった具合で進みます。現在は2日間ですが、昔は10日間行われました。この日には「五段華」と呼ばれる高野山の伝統華が生けられます。